メタルフリーの罠


アマルガムは有害だし銀色で醜いので、完全メタルフリーにしないとダメだ!と近所のハイシャに言われたのですが、アメリカに留学していた兄は、アマルガムが安全なのはアメリカの常識!だと言っているので、安全面では気にならないのですが、確かに白くなる誘惑には惹かれるため、白いレジンかセラミックに代えた場合、長期的に見てどうなるのか教えてください。

 

横浜恵子

ホケンのパラのインレーなどは別として、アマルガムと白いプラスチックやセラミックなどの材料を比べた場合、虫歯を防ぐという観点において、アマルガムの有意は歴然としており、アメリカ歯科標準治療では、自分の歯で一生を過ごしたいと思っている人はアマルガムを除去し白い材料に代えるのは絶対にやってはいけない治療のひとつとして挙げられています。

 

最近になって日本の歯医者さんがやけにインプラントはベスト!

 

とか

 

歯列矯正は小学生から!

 

とか、とならんで、

 

メタルフリーじゃないとダメ!

 

と言い出したのは、単に歯医者さんが増えすぎて、昔みたいに儲からないので新たなもうけ口の開拓のためだと言うことを日本のハイシャさんにしか行けない人は覚えるようにしましょう。

 

それでは、実際にやって失敗した人の実例としてマッキー平田の症例で説明します。

 

#12,14をAmalgamに戻す治療です。

 

まずは、修復治療ですからラバーダムは必須になります。

#14は今から7年前に日本のハイシャさんでラバーダム無しのお気楽レジンが詰められ虫歯が大爆発していたのを、G.V. BLACK DENTAL OFFICEでAmalgamにやり直したものでした。

 

ところがマッキーが親元を離れた大学時代になって、

 

「アマルガムは体に有害だから白い詰め物にしないとだめよ!」

 

「メタルフリーにして白く格好良くしないともてないよ!」

 

という日本の歯医者さんを親に持つ友達にそそのかされ、自宅近所の歯医者さんでG.V. BLACK DENTAL OFFICEでやった全てのAmalgamを除去し、お気楽レジンに代えたのが3年前のことでした。

 

親であるBill平田はその間、何も知らずにいた、というのですから親の監督責任は重大であるとともに、マッキー平田のデンタルIQは、これが早稲田の理工を主席で卒業した者なのか?と驚くくらいの低空飛行です。

 

その因果で歯が滅茶苦茶痛くなったのが昨年の12月ですが、近所の歯医者さんに行くと知覚過敏だということで、へんな薬を塗られた他、いろいろいじくり回されただけで一向に良くならないので再びG.V. BLACK DENTAL OFFICEに舞い戻ってきたのが今年の2月でした。

 

そのとき悪かったのは#2,3,4でしたが、Amalgamに戻すとギターの弾き語りを2時間やっても平気だったので、他のレジンのことなど忘れていたのですが、「また知覚過敏になってきたので来ました!」とデンタルIQナノ以下のメッセージとともに現れたのが今日です。

 

マッキー平田にはわかっているだけであと7本のお気楽レジンが残っており、これらは危機的状況にあるのですが、「歯は悪くなるんだっておばあちゃんが言ってた」とまるで気にしない様子は父親の東大教授になるのを断ったデンタルIQボウフラ以下のBill平田譲りと諦めるしかありません。

お気楽レジン満載の#14↑は#13とのコンタクトをレジンで塞いでしまっており、これでは一見ムキズの#13も実はそこから虫歯が浸食して内部で大爆発を起こしていることが予測できます。

 

お気楽レジンを除去します↓。

お気楽レジンでふさがれていたコンタクトは予想通り虫歯になっていました↓。

虫歯の入り口になっているのは歯の横ですが、咬合面から削って虫歯になっている位置まで削ると虫歯の大爆発の様子が断面で解明できました↓。

虫歯の爆発は↑、入り口はエナメル質という固い材料なので小さく、象牙質という内部の柔らかい部分に入ると急に拡大するという典型的な虫歯の進行の様子が分かります↑。

 

マッキーが知覚過敏だと勝手に思っていた症状は、実はメタルフリーをお題目にやられたお気楽レジンによる虫歯の大爆発が神経を刺激し始めたことが原因であって、このまま放置したら、虫歯は神経に達し、神経が死ぬのも、カウントダウンになることを示しています。

 

#12,14は両方とも虫歯の大爆発であって、#14は神経の中を流れる血液の色が透けて見えるくらいまで虫歯は進行していました。

 

アマルガムが体に悪い!と主張する連中は何を根拠に言っているのか私には不明ですが、わかっているのはそんな連中が白いレジンやセラミックでやり直した歯は、確実に虫歯が進行し、神経が死に、いづれは抜歯になるという運命をたどると言うことです。

 

マッキーの#12,13は一時は危機的状況に陥りましたが、これでマッキーが変な気を起こさない限り、もう大丈夫です。

虫歯の部分を完全に除去し、的確な形に整えた後、Amalgamを充填して終了しました。その間、約1時間半でした。

 

治療時間だけ見ても、日本の歯医者さんとアメリカの一流のデンティストとでは随分の違いがあるものですね。

 

自分が歯科情報弱者だと思う人は、メタルフリーを強調する歯医者さんには注意するようにしましょう。

 

10/09/97

03/23/18 updated

Norman Yamazaki, DDS.